不動産投資の指標であるNOIとは
不動産投資の指標として使用されるNOIとはどのようなものでしょうか。アパートを購入して家賃収入で収益を得ようとする場合、不動産投資物件を探す目安として利回りという指標があります、利回りには、表面利回り・実質利回りに加えて想定利回りがあり、これがNOIです。表面利回りは、年間の家賃収入を購入金額で割ったもの、実質利回りは家賃収入から種々の経費を除き購入金額で割ったもの、想定利回りは実質利回りに空室リスクなどを考慮した指標となります。
NOI利回りの計算方法はどうすればいいのでしょうか?
不動産投資のNOI利回りは想定利回りとも言われ、実質利回りから空き室リスクや賃料値下げリスクなどを加味したものです。不動産投資で収益をシビアに算出する際に使われます。収益の例を挙げて計算してみましょう。全10室の物件を5000万円で購入し、賃料を月額8万円とします。物件の修繕費や固定資産税などの費用を年間200万円とします。実質利回りは、(8万円×10室×12ケ月-200万円)÷5000万円×100=15.2%となります。ここで、10%の空室リスクがあるとすると、NOI利回りは、(8万円×10室×90%×12ケ月-200万円)÷5000万円×100=13.2%となります。
NOIを使用する場合の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
NOIを使用して、不動産投資の正確な収益を算出しようとするためには、諸費用の正確なデータを集める必要があります。具体的には、租税公課である固定資産税や都市計画税、保険料である火災保険や地震保険、管理や運営にかかる清掃費やエレベーターや駐車場などのメンテナンス費、共用部分にかかる水道代や光熱費、賃貸管理代行手数料、などの経費です。収益の賃料についても、周辺の地価や購入物件の駅や公共施設やスーパーマーケットなどへの立地などから賃料の算出を行い、周辺のよく似た賃貸物件の空室率などの検討をしたうえで、NOIを使用することをお勧めします。
不動産投資を行い収益を上げるにはNOIの理解を深めることが必要です
不動産投資により収益を上げるためには、NOIの持つ意味を理解することが大切です。NOIを使用するためには、詳細なデータの収集と蓄積が鍵となります。種々の経費を項目ごとに上げて実際の賃料収入に対して、実質面での収益を算出し、そこに空室率や賃料の推移などの想定値を入れてシミュレーションを行い、算出するものです。実際は、購入する物件により、新築物件と中古物件では種々の経費は大きく異なりますので、不動産投資で物件を購入する際には、その物件のNOIと周辺の不動産や同じような条件のNOIを比較して、検討することをお勧めします。