働く人なら誰でもワークライフバランスを意識すべきですが、勤務医ほどそれを必要としている人もいないでしょう。
多くの勤務医は、使命感に駆られ、「ライフ」をかえりみず「ワーク」に突き進んでいます。日本医師会ですら「ワークライフバランスの実現は、医師、特に多くの勤務医にとって容易ではない」と認めています[注1]。
超多忙な生活を送っている勤務医は、投資を考える時間も確保できない状態だと思います。しかし不動産投資は、勤務医のワークライフバランス達成の一助になります。そして投資に成功すれば、将来の開業資金や子供の教育費の一助にもなります。
医師こそ不動産投資を検討したほうがよい理由を解説します。
[注1]日本医師会のワークライフバランスへの取り組み
http://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/team/WLB/pdf/wlb02_03.pdf
勤務医のワークライフ「アン」バランスの実情
日本医師会は、勤務医のワークライフバランスを阻んでいる最大の要因は、長時間労働と過酷な労働環境の2点であると断言しています。
医師の1週間あたりの平均実働勤務時間は61.3時間になり、仮に週休2日を確保できているとしたら、1日12時間半労働になります。朝8時に出勤して、仕事が終わるのは午後9時です(昼休憩1時間含む)。これが毎日続きます。
しかもこの平均実働勤務時間は、すべての医師の平均値なので、勤務医だけに絞ればさらに過酷な数字になるでしょう。そして、これは平均にすぎません。特に過酷な勤務にさらされている勤務医の労働時間は週61.3時間をはるかに上回っているはずです。
勤務医の労働のつらさは、長さだけではありません。医師の平均当直回数は月2.78回で、小児科医に限定すると月3.48回、産科・産婦人科医は月4.51回、救急科医は月5.48回です。
勤務医の当直勤務は単なる夜勤ではなく、日勤から夜勤をして朝を迎え、そのまま日勤を継続することも珍しくありません。
この勤務体制では到底、ワークとライフのバランスを取ることはできません。
医師は収入以上にお金が必要
勤務医のなかには、自ら忙しくしている人もいます。正職員として勤務している病院のほかに、アルバイトで別の医療機関で働く医師がいます。正職員で働いている病院の許可がおりれば、こうした働き方をすることは問題ありません。
なぜ、正職員として働いている病院でも忙しいのに、アルバイトをするのでしょうか。
それはお金が必要だからです。
医師は、世間では「高給取り」と思われていて、実際、そのほかの職種の人たちより多くの賃金を得ています。
しかし医師のなかには、収入以上のお金が必要な人がいます。それは、クリニックの開業や病院の設立を目指している医師です。「自分が納得する医療」を実現するには、どうしても医療機関の経営者になる必要があります。
そのためには数千万円から、ときに「億円」規模のお金が必要になります[注2]。
また、医師は自分の仕事を誇りに思うことが多いので、子供も医者にさせたいと思うようになります。子供を私大の医学部に入れようとすると、やはり「千万円」規模のお金が必要になります。
医師は多くのお金を使って社会貢献しようとするので、「ワークライフバランスを崩してでも働こう」と思ってしまうところがあります。
[注2]厚生労働省:
医療施設経営安定化推進事業 医療機関における資金調達のための調査:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/igyoukeiei/dl/houkokusho2.pdf
投資はワークライフバランスに寄与する
経済評論家の勝間和代氏は、独立行政法人経済産業研究所に提出した資料「長時間労働からの脱出を考える」のなかで、ワークライフバランスを維持するには「投資を惜しまない」ことが大切であると訴えています。
投資をすることで、本業とは別の収入の道を確保できれば、その分「ワーク」を減らして、「ライフ」の時間を増やすことができます。
投資で安定して利益をあげられるようになると、少なくともバイト勤務は辞められるかもしれません。もしくは、より勤務時間が短い病院に転職しても、生活水準を維持できるようになるかもしれません。
なぜ勤務医に不動産投資が向いているのか
投資には株式投資もFXもあります。それでも勤務医には、不動産投資の検討をおすすめします。
なぜ株式投資やFXは勤務医に向かないのか
株式投資やFXに本格的に取り組んでいる人は、1日に何度も株価や為替を確認しています。値動きを細かくチェックしていないと、売り時と買い時を逸してしまうからです。
勤務医が、1日に何度もスマホやパソコンの画面を見て、値動きをチェックすることは不可能でしょう。
もし勤務医が、株式投資やFXに興味を持ったとしても、それだけに取り組むのではなく、分散投資のひとつとしておいたほうがよいでしょう。
不動産投資は、手間がかからずリスクが小さく「そこそこのリターン」が魅力
勤務医には、不動産投資が向いていると考えます。
不動産投資は、マンションの1室やアパート1棟などを購入し、入居者からの家賃収入を得る投資法です。入居者は「年単位」で住み続けるので、不動産投資は腰を据えて取り組むことができる投資といえます。
不動産投資の欠点は初期投資額が大きくなることですが、勤務医は社会的な信用が高いので、銀行の融資の審査は通りやすいでしょう。
そして不動産投資は、家賃徴収や建物管理を専門の管理会社に委託すれば、勤務医が「すること」は事実上ありません。
それで、安定した収入が期待できるわけです。
もちろん不動産投資も投資である以上、「損」をするリスクはあります。入居者が見つからないことや、建物の劣化による家賃の値下げなどがリスクになります。
ただ、不動産投資はミドルリスクミドルリターンといわれ、株式投資やFXよりはリスクが小さいとされています。
勤務医はお金のことを考えないために不動産投資を
勤務医が、不動産投資に取り組んで安定した収入が得られるようになると、「お金のため」に長時間労働やアルバイト勤務をしなくて済むようになります。
そうなれば、ワークライフバランスは自ずと取れるようになってきます。
投資をしない勤務医ほど、お金について考えていなければなりません。
不動産投資が軌道に乗れば、「お金の懸念」から解放されます。気持ち的にもワークライフバランスが取れるようになるでしょう。