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AIの発展が医師の仕事に与える影響

Overview

人工知能(AI)の研究が始まったのは約60年前ですが、医療分野においては1970年代初頭にAIが血液検査の結果から血液疾患を発見し、抗生物質の処方に成功したという事例が報告されています。現在はAI自らがデータを解析して学んでいく機械学習や、ディープラーニングを主軸とする第3次AIブームが到来。ここでは、AIの発展による医師の仕事への影響についてみていきましょう。

AIの発展が医師の負担削減につながる

画像認識などの技術が大幅に向上したことから、AIは今後医療分野に大きな変革をもたらす存在になるといわれています。具体的な例を挙げると、レントゲンやCT、MRI、細胞診などにおいて、人間なら検査結果を出すのに10日ほどかかるところを、AIなら膨大な検査結果の中から瞬時に異常値を見つけ出すことができます。

また、画像認識技術を活用すれば、患者さんの表情などからいち早く異変を察知し、医師に素早く伝えることが可能となります。AIであれば24時間365日体制で監視できますし、AIに患者さんの見守りを代行させられる分、必要性の低いナースコールへの対応の抑止につながり、看護師が自分の仕事に集中できるといった業務効率化の恩恵も受けられます。

さらに今後ディープラーニングの発展が進めば、問診や検査結果を入力するだけでAIが簡易的な診断・助言サービスを提供することが可能になるといわれています。

こうしたAIの台頭により、医師はこれまで手動で行ってきた情報収集や整理、データ検索・比較などの手間を大幅に省くことができ、医師1人あたりの負担削減につながります。

地域・技術の格差解消にも役立つ

現代日本の医療業界では、都市部に医師が集中し、地方は医師不足が慢性化するという地域格差が生じています。また、医師個人の知識や技術の格差も決して小さくなく、どこにいても質の高い医療サービスを受けられる状態にはありません。そんな地域・技術格差の問題もAIを活用すれば解消可能といわれています。

AIには技術差がなく、場所を問わずにどこでも均等なサービスを提供することができます。特に専門医が少ない地域では、AIがいち早く異変や異常を検知することで、総合病院へのスムーズな誘導を行えます。

AI医療が常態化しても医師にしかできない仕事はある

AI医療が発展すれば将来的に医師の仕事がなくなるのでは…という指摘もありますが、たとえAI医療が常態化されても、診療の責任を負うのはあくまで医師の役割です。実際、政府はAIを医療分野に導入するにあたって、最終的な診断や治療方針の決定と責任は医師が担うことを原則とする方針を掲げています。

医師はAIが下した診断や結果を自分でも精査したうえで、患者さんや家族に対して治療方針を説明したり、同意を得たりしなければなりません。患者さんによってはAIが提案する治療方針に納得できなかったり、ほかの方法を選択することを希望したりする方もいます。

そのようなとき、患者さんとコミュニケーションを図り、あるときは相談を受け、あるときは説得してともに最善の治療方法を模索していくことは、医師にしかできない仕事です。

AIによって削減できる手間はたくさんありますが、AIはあくまでサポートであり、医師はAIと二人三脚で診療や治療にあたるのが正しいAI医療のあり方といえます。

医師がAIを使いこなすためのポイントは共存を目指すこと

本来AIは人間に取って代わる存在ではなく、「人よりも優れている点で人をサポートする」ことに特化したシステムです。

たとえば人は疲れると休息を必要としますが、AIは24時間フル稼働しても疲労を感じることはありません。また、人はうっかりしてミスを犯すこともありますが、AIは単純作業ならミスをすることはありません。さらにAIの情報処理能力は人の何倍にも及んでおり、データ検索を瞬時に行うことができます。

このような特性を活かし、患者さんの24時間見守りサービスをAIに任せたり、論文データの読み解きを行わせて膨大な資料の中から成功事例のみ検索させたりと、人間にはできない・難しい作業を担当させると業務効率化につながります。

医師の身体的・精神的疲労が削減されるのはもちろん、1人あたりの診療時間が短縮されれば、より多くの患者さんを診察できるようになり、病院への満足度も高まるでしょう。

AIとの共存で医師の負担が減りより質の高い医療サービスを提供できるようになる

AIはまだ発展途上のシステムですが、機械学習やディープラーニングの活用により、将来的には人間と同等の知識や判断力を備えることが可能とされています。特に情報処理能力は人間を遥かに上回っているため、これまで医師が担ってきたデータ検索や情報収集、情報処理などをAIに任せれば、医療の質を落とさずに業務を効率化できるでしょう。

ただ、AIはさまざまな思考パターンや感情を持つ人間とコミュニケーションを取れる能力は持ち合わせていません。AIならではの技術をうまく活用しつつ、医師が人にしかできない仕事に専念できるようにするのが、AI医療の本来のあり方といえるでしょう。

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