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将来の資産形成や税金対策のために、不動産投資を検討している医師の方も多いでしょう。確かに、医師の信用力や資金力を活かせば、不動産投資に有利なローンを組めるため、大きな収益を得ることも可能です。
ただし、投資にはメリットがあると同時に、リスクやデメリットも存在するため注意が必要です。不動産投資で成功するためには、しっかりとリスク対策をしておかなければなりません。そこでこの記事では、不動産投資のリスクやデメリット、その対策方法について解説します。
不動産投資における5つのリスク・デメリットとその対策
不動産投資には、以下のようなリスクやデメリットがあります。意外な落とし穴もあるため、十分に対策しておきましょう。
1.空室リスクを減らすためには物件選びが重要
不動産投資を成功させるためには、家賃収入を継続的に確保することが大切です。せっかく物件を購入しても、誰も住まなければ家賃収入は生まれません。それどころか、メンテナンス費や管理費、ローンなどがかさみ、結果的に赤字になってしまう可能性もあります。そのため、空室リスクはできる限り減らすことが重要です。
空室リスクを減らすためには、まずは立地や周辺環境のよい物件を選ぶことが大切です。不動産会社から紹介された物件の利回りがよいからといって、簡単に購入するのは避けましょう。現地を見学したうえで、駅からの距離や周辺の施設なども確認し、入居者を確保できそうか慎重に判断する必要があります。さらに、必要に応じて、リフォームによって資産価値を向上させる、家賃を下げる、定期的にメンテナンスする、といった対策も検討しましょう。
2.家賃滞納リスクを減らすためには管理会社選びが大切
入居者がいたとしても、毎月決められた家賃を支払ってもらえなければ安定した収益は見込めません。家賃滞納リスクを下げるには、滞納が発覚したらすぐ行動することが大切です。後手に回れば回るほど、回収しにくくなります。回収の目安は1ヵ月以内です。それ以上、時間がかかってしまうと、回収は困難になるでしょう。
ただ、忙しい医師が自分で家賃収入の管理をするのは、現実的ではありません。一般的には、不動産会社や関連の賃貸管理会社に委託することが多いでしょう。信頼できる管理会社を選び、家賃滞納時の対応について事前に聞いておくと安心です。
3.ローンの金利上昇リスクを減らすためには固定金利がおすすめ
不動産投資を始める際は、ローンを利用して物件を購入するケースが多いでしょう。その際、変動金利を選択すると、景気などの経済状況により金利が上がり、返済金額が増加してしまうリスクがあります。
このリスクを避けるには、返済期間を短く設定したり、繰り上げ返済したりするのが有効です。ただし、金利の上昇によって返済額が増えた場合でも、上限1.25倍までという決まりはあります。
また、固定金利を選択するという方法もおすすめです。固定金利のなかには、3年、5年、10年など固定年数を選べる商品もあります。ただし、固定金利は、もともと変動金利よりも利率が高いため注意も必要です。自己資金や返済期間、現在の利率や経済状況などを総合的に判断して、どちらの方式を選ぶか決めましょう。
4.地震や火災のリスクを軽減するためには保険への加入が大切
不動産投資には、地震や火災によって建物に大きな被害が及ぶリスクもあります。日本において地震のリスクを完全になくすことは難しいのですが、準備や対策は重要です。新耐震基準で建てられた物件や、地盤の強いエリアの物件を選ぶとよいでしょう。地震保険へ加入しておくことも大切です。
また、火災リスクへの対応もしておきましょう。1軒だけの火災で済む場合もあれば、隣家や隣の物件まで被害が及んでしまう可能性もあります。火災保険に加入して、万が一の状況に備えましょう。
5.資産価値の下落リスクを回避するにはメンテナンスが重要
ある程度の家賃収入を得たら、将来的に売却してキャピタルゲインを得たいと考える人もいるでしょう。しかし、不動産は購入した瞬間から資産価値が下がっていきます。状況によっては、想定していた金額では売れない、という事態も発生しかねません。
このような資産価値の下落リスクを回避するには、物件の管理をしっかり行うことが大切です。建物の本来の寿命を維持するには、メンテナンスが欠かせません。将来的なキャピタルゲインのことも考慮するならば、長期的な修繕計画やノウハウを持つ会社に管理を委託するようにしましょう。
リスクやデメリットも知ったうえで不動産投資を始めよう!
今回は、不動産投資におけるリスクやデメリットを紹介しました。不動産投資には、他の投資に比べて手間をかけずに利益を得られる、といったメリットもありますが、空室リスクや資産価値の下落リスクなどもあります。資産形成や税金対策のために不動産投資を検討している医師の方は、リスクやデメリットの対策をしっかりと行ったうえで、投資物件を購入するようにしましょう。